パラレルリンクおよびダイレクトドライブモータ2台から構成されたマニピュランダム用に制御回路とソフトウェアを作成しました。
ワークエリア内の任意の位置で任意の力を出せます。これにより、装置を把持している人の手に対して任意の弾性や粘性を与えることが出来ます。
制御回路は、高速処理が必要な部分にデコーダ専用のチップを採用することにより、それ以外の部分は汎用マイコンのみで構築することが出来ました。これにより、200Hzの制御を実現しながらコストを大幅に削減することができました。また、複数のマイコンが互いを監視することにより安全性を確保しています。
PC側のソフトウェアはMATLABを使用しているため、簡単に実験タスクを作成することができます。
TMSを実施する際に脳活動を確認しながら任意の位置へ磁気刺激が加えられる装置です。
写真の例では右手のボールを握ったときの脳活動画面を右下に拡大して表示しています。
位置計測にはNDI社のPolarisを使用しています。
また、脳活動の推定には株式会社国際電気通信基礎技術研究所(ATR)の開発したVBMEGを使用しています。
表示されている脳のモデルはMRI画像から抽出した本人の大脳皮質画像です。赤い部分は表面皮質から脳の中心方向、青い部分はその逆方向に電流が流れていることを示しています。緑の部分は脳活動が推定されなかったところです。ボールが握られるたびにボールを握った時点を0秒として-200ミリ秒から+100ミリ秒まで50ms毎の平均脳活動をムービーで表示します。ムービーを表示する際は、人の目で追えるように5分の1の速度で脳活動を表示するようにしています。
また、紫色の球体はTMSによる磁気刺激の加えられる場所を表し、赤い矢印がTMSにより大脳皮質上に流れる電流の方向を示しています。
上の図は、被験者がfMRI計測中に右手首の曲げ伸ばし運動を行った際の脳の活動を可視化したものです。MATLAB上でSPMを使用して作成しました。
活動が強くなると青→緑→赤と、色が変化するように表示しています。
左半球の第一次体性感覚野に強い活動が見られ、赤くなっている場所は右手首の部位と一致します。
また、同様に中心溝を挟んで、第一次運動野の右手首に該当する部分にも活動が見られます。
(参考:脳科学辞典)
このような「答えが見えている」タスクを被験者に実施してもらうことにより、fMRIの計測系(データ分析環境も含む)が正しく維持されているかどうかを確認することが出来ます。
特に、新しい計測装置等をMRI室内に設置した場合は必須の作業となります。